PowerPoint には「スライドマスター」という便利な機能があります。スライドマスターは各スライドに共通する書式やデザインを設定するための機能です。
資料作成で大事なポイントのひとつに「統一感」がありますが、スライドマスターを使うことで、統一感のある資料を効率的に作ることができます。
スライドマスターを使う前に
PowerPoint のスライドマスターを使うにあたって、まず「テーマ」と「レイアウト」について確認しておきます。
PowerPoint の「テーマ」とは
テーマとは PowerPoint で作成する資料全体のデザインを決めるものです。ひとつのテーマにはフォントや色などの書式やデザインがセットになっています。
PowerPoint で資料を作成するとき、例えば、テーマAを使うと明るく華やかな印象に、テーマBを使うと落ち着いた高級感のある印象になるといった感じで、スライド全体の印象(テーマ)を決めることができます。
テーマはあらかじめ PowerPoint に用意されているものを使うこともできますし、自分でオリジナルのテーマを作ることもできます。特に何も設定せずに PowerPoint を起動したときは ”Officeテーマ” というテーマが適用されています。
PowerPoint の 「レイアウト」とは
各テーマにはスライドを作成する際の「レイアウト」がいくつか用意されています。レイアウトとは ”見出しはココ” 、”本文はココ” といったように、あらかじめ1枚のスライド内でコンテンツの配置を決めたテンプレートようなものです。
PowerPoint では、作成したいスライドのイメージに応じたレイアウトを選んでいく、というのがスライド作成の基本となります。
”Officeテーマ” に含まれるレイアウトのパターンには、表紙用のレイアウト(タイトルスライド)や、見出しと本文のレイアウト(タイトルとコンテンツ)など、11パターンのレイアウトがあります。
11パターンのレイアウトがありますが、一般的によく使用するのは「タイトルスライド」「タイトルとコンテンツ」「セクション見出し」「タイトルのみ」「白紙」あたりかなと思います。
この「レイアウト」はスライドマスターを使う際にも関わるものとなります。
次のページではスライドマスターを編集してみます。
スライドマスターの編集画面を開く
スライドマスターは各スライドに共通する書式やデザインを設定する機能です。ではどうやって設定するかというと、スライドマスターの編集画面を開いて設定していきます。
なお、ここでは PowerPoint のデフォルトのテーマである、”Officeテーマ” を例にしています。
スライドマスターの編集画面を開くには、[表示]タブから「スライドマスター」をクリックします。
PowerPoint でスライドマスターをワンクリックで開く
(Macも同様です)スライドマスターを開くときはこちらの記事も見ておくとラクに操作できます。
スライドマスターの編集画面は下図のようになっています。通常のスライド編集画面と同じように、画面の左側にサムネイル(縮小版)のようなものが並んでいますが、よく見ると一番上は少し大きいですね。その下には小さめのものが並んでいます。
※スライドマスターの編集画面を開いた時点では、 一番上の大きいものが見えないので、画面の左側で上の方にスクロールして下さい。
画面左側にあるこれらのものは、通常のスライド作成画面で見るサムネイルとは異なります。
これらは何かというと
- 一番上の大きいもの:スライドマスター
- その下に並んでいる小さいもの:各レイアウトのマスター(レイアウトマスター)
となります。
一番上の大きいもの「スライドマスター」は、全てのレイアウトに共通して設定する書式やデザインを設定するものです。”Officeテーマ” には11パターンのレイアウトがありますが、それら11パターンの「レイアウトマスター」に対するいわば親マスターです。
ですので、デフォルトの ”Officeテーマ” でスライドマスターの編集画面を開くと、画面左側には
スライドマスター(親マスター)+ 11パターンのレイアウトマスター
の計12個が縦に並んでいるわけです。
スライドマスターで全スライドに共通の書式を設定する
PowerPoint のスライドマスターは統一感のある資料をつくるために便利な機能です。例えば、全てのレイアウトで「見出し部分の文字を赤」にしたいとします。
あらためて、スライドマスターの編集画面で操作を行っていきます。
まず、スライドマスター(画面左の一番上の大きいもの。親マスター)を選択してから、画面中央にある「マスター タイトルの書式設定」の部分を選択して、フォントの色を赤にします。
そうすると、画面左にあるレイアウトマスターでも見出し部分が全て赤になります。
全てのレイアウトにおいて、見出し部分は赤文字に設定することができましたので、スライドマスターの編集画面を閉じて、通常のスライド作成の画面に戻してみます。
通常のスライド作成の画面に戻すためにスライドマスターを閉じます。
[スライドマスター]タブから「マスター表示を閉じる」をクリックします。
通常のスライド作成の画面に戻ります。既存のスライドの見出し部分が赤になっていることが分かります。
また、新しいスライドを追加して 「タイトルを入力」 というボックス(見出し部分)に文字を入力すると赤文字で表示されます。
これで全てのスライドで見出し部分を赤文字に統一することができました。
もし、赤文字ではなく他の色に変えたい、という場合は、スライドマスターを変更すれば一括で文字の色を変えることができます。
スライドマスターを使うと、このように全てのスライドに同じ書式を設定することができます。
次のページではロゴを入れてみます。
スライドマスターでロゴも簡単に
全てのスライドにロゴを入れたい、といった場合もスライドマスターを使えば簡単です。
スライドマスターの編集画面を開いてロゴを配置します。
ロゴを配置するのは画面左の一番上、少し大きい「スライドマスター」です。 前述のとおり、スライドマスターの編集画面を開いた時点では、一番上の少し大きい「スライドマスター」が見えないので、画面の左側で上にスクロールして「スライドマスター」を選択してからロゴを配置します。
スライドマスターでロゴを配置すると、画面左にあるレイアウトマスターでもロゴが見えるようになります。
スライドマスターを閉じて通常のスライド作成の画面に戻してみると、各スライドの左上にロゴが確認できます。新しいスライドを追加したときも同様に左上にロゴが配置されます。
ここでひとつ確認。通常のスライド作成の画面で、左上のロゴを選択しようとしても選択できません。
スライドマスターで設定した画像などは通常のスライド作成の画面では触ることができないのです。
なぜかと言えば「スライドマスターは『統一感のある資料』を作るときに便利な機能」だからです。せっかくスライドマスターで同じ場所にロゴを入れたのに、個別のスライドでその配置や大きさを変えたり、または誤って削除してしまったら困りますので触れないようになっています。
スライドマスターを設定するときの注意点
このように、 PowerPoint で統一感のある資料を作成するときに欠かせないスライドマスターという機能ですが、スライドマスターの編集画面で書式の設定やロゴの配置などを行う際に注意する点があります。
ここまでの説明でも記載していますが、注意することは「スライドマスターの編集画面を開いたときには、画面左側で一番上の『スライドマスター』が見えない」という点です。
スライドマスターの編集画面を開いた時点では、さっきまで通常のスライド作成の画面で編集していたレイアウトのマスターが選択されるようになっています。
通常のスライド作成画面で「タイトル スライド」を使ったスライドの編集しているときにスライドマスターの編集画面を開いたら「タイトル スライド」のマスターが選択された状態になりますし、「タイトルとコンテンツ」を使ったスライドの編集していたら「タイトルとコンテンツ」のマスターが選択された状態になります。
いずれの場合も一番上のスライドマスター(親マスター)が見えない状態です。
もしスライドマスターの編集画面で「タイトルとコンテンツ」のマスターが選択されている状態でロゴを配置した場合、ロゴの配置が反映されるのは「タイトルとコンテンツ」のレイアウトを使ったスライドのみ、となってしまいます。
全てのスライドにロゴを反映させたいのであれば、全てのレイアウトの親マスターである「スライドマスター」にロゴを配置する必要があります。
全てのレイアウトに共通の設定を行う場合は、スライドマスターの編集画面の左側で一番上までスクロールして「スライドマスター」を選択してから作業を行うようにしましょう。
Mac PowerPoint でも同様です
スライドマスターの機能は Mac の PowerPoint でも同様です。スライドマスターを開く/閉じる操作や、テーマやレイアウトについても Windows の PowerPoint と同じように操作をしていきます。
スライドマスターは PowerPoint で資料を作成するにあたってぜひ使えるようにしておきたい機能です。まずは基本的な機能や操作方法を身につけていきましょう。
下記のページもあわせてご覧ください。(Windowsについても記載しています)
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