といっても、PowerPoint を使うな、という話ではありません。お仕事での資料作成においてはあくまでもその中身が大事であり、PowerPoint は単にツールでしかないですよ、というお話です。
資料作成の流れを確認
資料を作るときに、とりあえず PowerPoint を開いて「どうしようかな」と考え始めていたりしませんか。PowerPoint 上であれやこれやと考えながらスライドを作っていくやり方は効率的とは言えません。
資料作成は下記のように進めていくとスムーズです。
- 資料の目的を確認する
- 情報を集めて、捨てる
- 構成を固める
- PowerPoint でスライドにする
それではこれらの手順を詳しく見ていきます。
1.資料の目的を確認する
その資料の目的は?
PowerPoint で資料の作成にあたって最も大事なことは、資料の「目的」を確認することです。
その資料を作る目的は何なのか。誰に、何を伝えたいのか。
とりあえず作り始めるのではなく、まずはここを確認しましょう。
一般的にビジネスでの資料作成の目的としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 顧客に自社製品を購入してもらう
- 上司に来期の企画を承認してもらう
- 社内のメンバーにプロジェクトの内容を理解してもらう
いずれも「誰かに何かをしてもらう」ということが目的になっています。つまり、スライドを用いてプレゼンを行い、そこから相手にこちらの望むアクションを取ってもらうことです。
目的が明確であれば、その目的のためにどのような資料を作ればいいのか、と考えていくことができます。目的が曖昧な状態なまま資料を作っていくと内容がブレまくります。
資料作成の過程では情報の取捨選択を繰り返していくことなりますが、目的が曖昧ということは取捨選択の基準も曖昧なので、その結果、ブレまくる。
誰に、何をしてもらいたいのか、その目的を明確にしたうえで資料を作成していくことが大事です。目的をふまえて次のステップに進みましょう。
2.情報を集めて、捨てる
まずは集める
目的を確認したら、情報を集めましょう。まずは必要と思われる情報をすべて集めます。相手に伝えたいことや必要なデータの他、伝えるべき相手、参加人数、プレゼンの会場(広さやスクリーンの大きさ)なども確認しておきましょう。
項目はとりあえずバラバラと挙げていき、顧客の要望に関するもの、自社の商品やサービスに関するもの、コストに関するものなど、カテゴリごとにざっくりとまとめていきます。
そして捨てる
相手に伝えたいことや必要なデータを集めていくと、それなりに情報のボリュームも増えていきます。多くの場合で不要となる情報も混ざっているので、そこから本当に必要な情報に絞り込みます。つまり情報を捨てていくことになります。
この捨てる作業が大変だったりするのですが、あくまでも資料の目的に沿って考えていくことが大事です。相手が知りたいことは何か、相手の目線で考えることも重要です。
そのようにして残った情報を元に、次のステップで資料の構成を固めていくことになります。
3.構成を固める
ストーリーで語りましょう
構成を固めるときはストーリーを考えていきます。論理的な構成となるようにしましょう。
ストーリーを作るときによく使われる手法に「PREP法」などがあります。
PREPとは、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)の流れで構成するものです。例えば、
- 資料作成は効率的に行うべきです。(結論)
- なぜなら、資料作成ではなく顧客対応に時間を多く使うことでサービスの向上につながるからです。(理由)
- 例えば、部署Aでは資料作成にかける時間を〇〇%減らした結果、顧客満足度が○○ポイント上がりました。(具体例)
- だから、資料作成は効率的に行うべきです。(結論)
ストーリーを作ることで相手にも伝わりやすくなります。
絵を描きましょう
ストーリーができたら、個々のスライドで説明する内容を考えていきます。このとき、文字どおり、手書きで絵を描いていきましょう。絵コンテのようなイメージです。絵を描いていくことで、全体の流れや必要なコンテンツ、スライドに盛り込むべき図表やグラフなどが明確になってきます。
また、この段階であらためて不要なものが見えたり、あるいは追加するものが出てきたりすることもあります。この段階なら説明の順番を入れ替えることもできます。
具体的な構成が固まれば資料作成もほぼ完了です。
4.PowerPoint でスライドにする
ここで初めてPowerPointを開きます
ひとつ前のステップで構成を固めているので、あとはそれを PowerPoint に落としていくだけです。全体像が見えていれば統一感のある資料をスムーズに作成できるはずです。
PowerPoint でスライドマスターあたりまで使えるレベルであれば、この「PowerPoint でスライドを作る」というステップが一番短い時間で済むことになります。
あらためて資料作成の基本的な流れは以下になります。
- 資料の目的を確認する
- 情報を集めて、捨てる
- 構成を固める
- PowerPoint でスライドにする
このような流れで作っていくと、過不足なく、作業の手戻りも少なくまとめられるかと思います。
いかにPowerPointでの作業時間を減らすか
全般的な流れの中で、本来の資料作成という意味での作業は1~3になります。PowerPointでの作業は決まったものを形にするだけ、極端に言えば、このステップでは内容について何も考えなくてもよい状態がベストです。
PowerPoint の機能や操作をきちんと理解して、効率的な操作なども含めてスキルを上げていくことも必要ではありますが、そのあたりは少し勉強すれば一定レベルには到達できます。
でも資料の中身はその都度、自分で考える必要があります。伝えたい内容を自分自身がしっかり理解して、相手のことを知って、どのように伝えるかを考えていく。こちらのほうがよほど難しいと思います。
PowerPoint のスキル = 資料作成のスキル ではありません。
PowerPoint での作業を減らし、資料の中身を作ることに時間を使っていくようにしましょう。
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