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PowerPoint のデザインのポイント

PowerPoint で資料を作るとき、「デザイン」で悩むことがあるかと思います。

デザインと言ってしまうと難しく感じるかもしれませんが、あくまでも見やすく伝わる資料を作るという話です。そのためには、いくつかのポイントを押さえておけば大丈夫です。

ポイントを押さえていないと「なんだかイマイチな資料」になってしまいますが、ポイントを押さえて作っていけば、ビジネス上で十分なクオリティを持った資料が出来上がります。(もちろん資料の中身がしっかりまとまっていることが前提ではありますが)

そして PowerPoint にはデザインのポイントを押さえていくためのいろいろな機能があります。ここではそれらの機能とあわせて確認していきたいと思います。

なお、これらのポイントはいわゆる「センス」というのとは違いますので、その点もふまえて考えていくとよいかと思います。
PowerPoint のセンスについてはこちらの記事もどうぞ


PowerPoint のスライド作成で意識すべきポイント

PowerPoint の資料作成で意識すべきポイントとして以下を挙げています。資料作成の基本と言えるものばかりですが、よくあるイマイチな例なども含めて見ていきたいと思います。

  1. 統一感を重視する
  2. シンプルにする
  3. 色を使い過ぎない
  4. 枠線を無くす
  5. 余白を取る
  6. 改行の位置を考慮する
  7. 余計なイラストを入れない
  8. 短い矢印を使わない
  9. 文字は装飾しない

1.統一感を重視する

PowerPoint の資料を作るうえでものすごく大事なポイントです。これができていないとどうやってもイマイチな資料になってしまいます。

といっても全然難しくはなくて、むしろ簡単な話です。

フォントや配置を揃えるだけです。

いろんなフォントを混ぜないでひとつに絞り、並んでいる図形やテキストボックスの配置や間隔、文章のあたまや行間などを揃えます。


フォントも配置も揃ってない……

揃えたらスッキリ見やすい

なお、一般的にフォントでよく使われているのは「メイリオ」ですね。

PowerPoint には揃えるための機能がいろいろあります。配置と整列はもちろん、ガイド、グリッド、スマートガイドなどは揃えるために頻繁に使う機能ですし、スライドマスターもそのひとつです。

統一感のある資料を作るための機能

  • 配置と整列
  • グリッド、ガイド、スマートガイド
  • スライドマスター

グリッドやガイドは画面上に点線で表示されるものです。[表示] タブ にあります。

グリッドとガイド

スマートガイドは、図形などをマウスのドラッグで移動したときに現れる赤い点線のことです。図形を2つ 並べていずれか片方をドラッグすると画面上で確認できると思います。

※統一感についてはこちらもどうぞ
PowerPoint 資料のデザインで最も大事なポイントは

※スライドマスターについてはこちらもどうぞ
PowerPoint で確実に押さえておきたいスライドマスター

2.シンプルにする

図形、色など必要最小限にします。必要最小限にするというのは余計なものを入れないということです。


ごちゃごちゃごちゃごちゃ……

情報を絞りましょう

そういえば以前、こんな声を聞いたことがあります。

「自分が作った資料であることが分かるように、デザインを工夫して目立つようにしたい」

つまりは個性を出したいという話です。

気持ちは分かりますが、これは一歩間違うと途端にイマイチな資料になってしまいます。

デザインの面でどこかをいじったり何かを加えたりすると、全体のバランスを取る必要が出てきます。それはとても難しい作業です。

プロのデザイナーの人などであればできるんでしょうけど、本格的にデザインを勉強していない人がそういったことをやろうとすると、バランスが崩れてどうしてもチグハグした印象になってしまいます。

やはり基本はシンプルにすることです。

もし、見た目でオリジナリティを出してアピールしたいというのであれば、たとえばワンポイントのロゴを入れる程度にするのが無難ではないでしょうか。

3.色を使い過ぎない

基本的には3色程度にするとスッキリまとまります。

色を多く使う場合は全体のバランスを考えながら決めていくことになります。これはなかなか難しいことです。色の組み合わせや分量(面積)も影響していきます。

使う色を絞っていけばバランスも取りやすくなり、まとまりもよくなるので3色程度にするのがよいでしょう。


色が多すぎる……

色を絞る

3色というのは、まずメインとなる色(メインカラー)を決めて、強調したいところに使う色(アクセントカラー)を決めます。これで2色。地の色は白としてこれで3色です。(文字の色を1色とカウントする場合もあります。地の色が白なら、文字は通常、黒またはグレーです)

ただ、お仕事で資料を作る場合、メインカラーやアクセントカラーは企業や組織として使っている色(コーポレートカラー)を選ぶことがほとんどではないでしょうか。商品であればブランドカラーもあります。いずれもロゴやWebサイトで使われているはずです。

ただ、項目によって色分けしたいなど、もう少し色を使いときもあります。そのときは PowerPoint で用意されているカラーパレットを使っていきましょう。

複数の色を選ぶときに、カラーパレットの中から適当に選ぶとチグハグな印象になります。同じ列や同じ行から選んでいけばキレイにまとまります。

色を選ぶときに使う機能

  • カラーパレット

続いて「4. 余白を取る」についても見ていきましょう。

4.余白を取る

スライド上を文字や図形で埋めてしまうと窮屈な印象で見づらくなります。テキストボックスや図形同士の間隔、行間なども含めて余白を取るようにしましょう。


間隔が詰まっていて窮屈……

余白を取ることで項目のかたまりがはっきりする

余白があると何かで埋めたくなるかもしれませんが、無理に埋める必要は全くありません。なんとなくそれっぽいイラストや写真などを入れているスライドをよく見ますが、むしろ余白を残しておくほうがよいです。

余白を取っていくようにすると、項目のかたまりが明確になります。余白が無いということは項目同士が近すぎな状態であり、項目ごとの区切りがわかりづらくなります。

行間も取りましょう

文章の行間についても同様です。行間が詰まり過ぎないよう、適度に間隔を取っていきましょう。そのためには文字数を調整したほうがいい場合もあります。文章が冗長にならないようにする、言い回しを変えるなどして、文字数を少なくすることも考えていきましょう。

5.枠線を無くす

線が多いとごちゃごちゃした印象になります。また、線というのは目立つものです。

線が無くても文字のあたまや数値の桁を揃えてあげれば、人間の目はそこに線があるものと認識します。

また、図形を配置したとき、デフォルトでは図形の枠線がありますが、これも外したほうが見やすくなります。もし線で囲う場合は薄いグレーなどであまり目立たないようにするか、またはテキストや図形の後ろに薄い色で塗りつぶした四角形などを配置する(背景を敷いてあげる)でもよいかと思います。

ただ、何のために線で囲うのかというと、各項目のかたまりを明確にしたいからではないでしょうか。

ということは、前項で挙げた「余白」を取ってあげることで項目ごとのかたまりが明確になれば、線で囲ったりする必要はなくなります。

線が無くても支障がないケースは多いので、全体的に線を無くしてスッキリさせましょう。


枠線が目立っている……

「枠線なし」にしてスッキリ

枠線を無くすときに使う機能

  • [図形の書式] → 「図形の枠線」で「枠線なし」を選ぶ

6.改行の位置を考慮する

文章を読みやすくするために改行の位置にも注意を払いましょう。言葉の区切りを考えながら、適切な位置で改行を入れます。

これはいわゆるデザインとは少し違うかもしれませんが、資料の見た目として大事なポイントです。

また、PowerPoint のスライドは基本的にヨコ向きなので、文章が横に長くなりがちです。適度に改行して読みやすくしましょう。


改行の位置が中途半端で読みづらい……

改行の位置を整えた

なお、段落を変えずに改行する場合の操作は Shift + Enter です。このあたりは Word の操作とも共通です。段落についてはこちらもご参照ください。
ほんとに Word 使えてますか? – oshigotono.com

PowerPoint でもテキスト部分は段落という概念がとても大事です。箇条書きや行間、インデントの調整などは段落単位で設定される段落書式であることを理解しておく必要があります。

続いて「7. 余計なイラストを入れない」についても見ていきましょう。

7.余計なイラストを入れない

余白の部分でも述べましたが、スライド上に余白があるとしても特に意味がないイラストや写真などを入れる必要はありません。

余計なものを入れるとムダに情報量が増えますし、全体のバランスも取れなくなって、その結果イマイチな印象となります。


余白を埋める必要はありません

8.短い矢印を使わない

これは全体の作りにもよりますが、遷移を示すときや、Before Afterなどのように変化を示すとき、矢印を使うよりも三角形を使ったほうがシンプルに見やすくなります。

矢印を使うと矢印がけっこう目立ってしまうことがあります。特にデフォルトで青色(枠線つき)の矢印を使うとかなり目立ちます。三角形などでシンプルにしたほうがよいでしょう。

矢印は何かを指し示すときか、離れた場所にあるオブジェクトを繋ぐときに使うイメージです。


矢印が目立っている……

三角形を使ってシンプルに

9.文字は装飾しない

ビジネス資料においてワードアートのような装飾された文字を使うのは避けましょう。ムダに目立ちすぎてとてもイマイチな印象になります。

装飾については図形や画像なども同様です。図形やグラフで3DのようなかたちはNGです。入れるとしても薄く影をつけるぐらいがよいでしょう。


ワードアートはやめた方がよいでしょう……

まとめ

いずれも難しく考える必要はなく、ちょっとしたポイントとも言えます。

配置を揃えたり、枠線を無くすというのはちょっとしたひと手間でできますし、シンプルにするというのはむしろ作業(ムダな装飾など……)が減るとも言えます。

PowerPoint のスライド作成のポイントを押さえて、伝わりやすい資料にしていきましょう。

  1. 統一感を重視する
  2. シンプルにする
  3. 色を使い過ぎない
  4. 枠線を無くす
  5. 余白を取る
  6. 改行の位置を考慮する
  7. 余計なイラストを入れない
  8. 短い矢印を使わない
  9. 文字は装飾しない

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