「業務効率化」や「生産性向上」といったものは、だいぶ前からどこの企業でも言われていることかと思います。
業務を効率化すると言っても、全社的にシステムを導入するものや、部門単位あるいは個人単位で運用方法を変更するなど、規模ややり方もいろいろあります。ここでは部門やチームなど、比較的小さい単位で業務効率化を進める場合に必要なポイントを考えてみたいと思います。
業務の効率化を進めるために必要なこと
社内の会議で「もっと業務を効率化して生産性を上げよう」なんて聞くことも多いかもしれませんが、どこから手を付ければいいのやら、、と思うこともあるのではないでしょうか。
業務の効率化にあたって大事な3つのポイントを挙げてみます。
1.作業の目的を確認する
まず、現在行っている業務をしっかりと把握することです。ひとつひとつの作業について「この作業の目的は何か、なぜこの作業を行っているのか」を確認します。
作業の流れの中には、よりシンプルなやり方に変更できる部分もあるかもしれません。オペレーションを変更する、ITを活用する、などのように改善案も出てくると思います。
さらにもっと直接的に効率化につなげられるケースもあります。
それは「要らない作業」が含まれているケースです。
ひとつひとつの作業の目的を確認していく中で、実はやらなくてもよい作業が出てきたりします。このケースの改善はとっても簡単です。今後はその作業をやらなければいいだけですから。私もこれまでに何度も見たことがあります。
例えば、私が以前、少しサポートしていたある小規模な小売りのお店でのこと。
日々の売上を管理するExcelファイルについて相談を受けたので、とりあえず現状でどんな作業をしているのか見てみると、店員さんがExcelに入力した後に、同じような内容を用紙に記入しています。全く同じではないですが、Excelだけで事足りそうな感じです。
気になったので作業していた店員さん(Aさん)に聞いてみました。
私「この用紙はなんですか?」
Aさん「今日の売上の状況などを記入するものです」
私「記入したものはどうしてるんですか?」
Aさん「このファイルに綴じています」
私「このファイルは誰が見てるんですか?」
Aさん「さあ……。ちょっと分からないです。ここにファイルするように言われているので……。」
その後、いろいろ確認してみた結果、、、そのファイルはほとんど誰にも見られていませんでした。
こんな感じで不要な作業を行っているケースは意外と多くあります。上記のAさんも単に先輩からそのように教わったのでそうしてる、というだけでした。
全く同じような話が「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」でもエピソードして紹介されていました。作成したレポートがいろんな部署をまわって、誰にも見られないままファイルされているという話です。
規模は違えどやってることは同じです。むしろ規模が大きいと、何がどこでどうなっているのかが見えなくなるのでやっかいかもしれません。
作業を担当する一人ひとりがその作業の目的を理解することは、効率化のみならず、非常に大事なポイントです。本来、目的が分からなければ、その作業が正しいかどうか、成果物のクオリティが良いものかどうか、判断ができないはずです。
「なんとなく言われたとおりにやっている」とか「今までやっていたから同じようにやっている」というのでは効率化どころか非効率な作業を無駄に続けているだけとなりかねません。
自分が担当している業務の前後に何があるのか、点で見るのではなく、線あるいは面で見ていくことが大事です。
2.もっとラクをしたいと考える
業務を把握するのとあわせて、日々の業務、特にルーティーンの作業について「面倒だからもっとラクにできないか」と考えることも大事です。
常に改善を意識することはもちろん大事なのですが、「改善点を探す」というとなかなか難しそうに聞こえますし、なんだかそれこそが面倒くさそうです。
それよりも「もっとラクをしたい」「早く仕事を終わらせたい」と考えるといろいろ挙がってきます。
面倒くさいと思わずにひたすら続ける、面倒くさいと思いながらも続ける、というのは何も考えていないのと同じことなのでとてもまずい状態です。
「もっとラクしたい」と考えることは、業務を効率化させるひとつのきっかけとして非常に重要だと思います。
3.改善作業のための時間を作る
業務を把握し、改善点が見つかった。でも改善に取り組むための時間がないので、結局これまでと同じようにズルズルと進めていく、、これも良くないですね。
日々の業務に追われてしまうと、どうしても他のことができなくなりがちです。改善したい点はあるけど急ぎの案件が入ることも多いし、つい後回しにしてしまう……。
ということで、これは「仕事の優先順位」の話になります。重要性と緊急性によるマトリックス図を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
個々のタスクを「重要性」と「緊急性」から判断すると、以下の4つの領域に分けることができます。
1.緊急かつ重要
2.重要だけど緊急ではない
3.緊急だけど重要ではない
4.緊急でもなく、重要でもない
タスクをこのように分けた場合、自ずと取り掛かる順番が決まってくるのですが、ポイントは「2.重要だけど緊急ではない」タスクです。
ここに入るのは、今後の事業プランの作成とか、部下の育成とか、自身のスキルアップとか、、そういったものです。いずれもある程度、先を見据えての話になるので、重要だけど緊急性は高くないものになります。
そして業務効率の改善もこの第2領域に入るものになります。
第2領域のタスクは「緊急性が高くない」ことから後回しにされがちですが、長い目で見れば確実にやったほうがよいことなのは誰もが分かっています。でも日々の業務に追われてしまう。
ただ、それではいつまで経っても改善などできず、これまで同様に非効率な状態が続きます。
ではどうするかというと、定期的に第2領域の作業を行う時間を設けることです。あらかじめスケジュールに入れておいて他の業務は入れないようにします。
「そうは言っても緊急の案件が入ってくる」という人もいるかもしれませんが、そこはチームで協力すべきところです。(その意味ではリーダーがコントロールすべき点と言えます)
業務改善に向けた3つのポイントを挙げてみました。
1.業務を把握する
2.常に改善を意識する
3.改善作業のための時間をあらかじめスケジュールに組み込む
もっといいやり方はないか、もっとラクな方法はないか、常に考えながら取り組むようにしたいものです。
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